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肛門外科

肛門疾患・排便機能外来

痔核(いぼ痔)は、日本人の半数が罹患していると言われています。
しかしながら、恥ずかしさから受診をためらい、症状をより悪化・治療を困難にさせることが少なくありません。
また手術となると時間・費用・疼痛のことを考えてしまい、ついつい薬で我慢している方が多いと思われます。

当科の外来には1日20人の患者様が受診され年間約150例の手術を行っています。
また最大の特徴としては総合病院というメリットを生かし、高齢の患者様や、併存疾患のある患者さまにも他科と協力し、治療の提供が可能です。

当科では、痔の病態・患者様の訴え・希望にあわせた「オーダーメイド治療」をホスピタリティの精神で満足していただける治療を提供します。

そもそも〝痔″とは?

一般的に痔と言えば、俗語でいぼ痔・切れ痔・あな痔のことを指しますが、大抵の方がお悩みなのがいぼ痔ですので、ここではいぼ痔(内痔核)について簡単にご説明します。

内痔核は一言でいうと肛門の奥の粘膜下にできる血液の溜まった血管のことを言います。
通常血管には静脈弁という逆流を防止してくれる“弁”なるものが付いているのですが、不幸にも肛門周囲にはそれがなく、息んだ時など、まるで顔が真っ赤になるように肛門の血液も停滞するのです。
それを長年繰り返していると当然のことながら血管が腫れてきます。その腫れてきたものこそ“痔”です。腫れるだけならいいのですがこれが破れて出血したり、肛門の外に飛び出したりするから厄介なのです。

基本的にいぼ痔ではごく軽度の痛みしか出ませんが、肛門入口の血管にまで影響するようになると痛みが発生します。

痔核進行度による治療法の選択(当院の場合)

痔はI度からIV度に分類され、グレードが上がるほど悪い状態になります。

痔の度合い 症状 治療法
I度 出血 (1)排便コントロール
(2)外用
(3)ALTA注射
II度 出血 飛び出た痔に気付かない オーダーメイド治療
飛び出た痔に気付く(排便時など)
III度 出血 一部が脱出
全周脱出
IV度 出血、下着が汚れる

手術について

当科では以下の手術を痔の病態・局在・程度患者様の希望(術後の生活、疼痛について、コストなど)にあわせた、根治性とQOLを考えた「オーダーメイド治療」を行っています。

手術の麻酔

患者様の負担の少ない麻酔手法を導入しています。
当科では仙骨硬膜外麻酔を第1選択としています。(細い針を1回刺すのみで、痛みは消失します。)いわゆる下半身麻酔(脊椎麻酔)とは異なり手術後から歩行・食事が可能です。また、鎮静剤を併用し、「寝ている間に終わる手術」になっています。

(1)結紮切除術

結紮切除術(半閉鎖法)は、現在最も一般的に行われている手術で出血や突出を引き起こす痔核を手術によって切除します。まず皮膚を切って痔核を露出し、痔核に血液を送っている血管を縛ります。そして、痔核のみを切除します。切除した後の傷口は、縫い合わせて閉鎖します。最も根治性の高い治療です。現在はALTA治療を併用し、より負担の少ない手術が可能になりました。

(2)ALTA注射療法

ALTA療法とは、硫酸アルミニウムカリウム及びタンニン酸を有効成分とする薬剤を痔に直接注射して、痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。ALTA療法は四段階注射法という独特の手技を用いて投与するため「内痔核治療法研究会」の指定する講習会を終了した医師がおこないます。術後疼痛が極めて少なく負担の少ない治療です。

(3)PPH手術

PPHは「痔の手術は痛い」という常識を覆す画期的な手術法で、飛び出した痔核が綺麗に治ります。ただし手術には変わりないので、ご入院して頂き、手術室で麻酔科医の疼痛管理下で施行されます。手術時間は30分程度です。

また、PPHで取りきれなかった小さな痔核が残った場合、当院では痔核硬化療法やを切除術(分離結紮術、輪ゴム結紮術など)を術中併用し治療を行っています。

PPH法の実際

(4)Anal Cushon Lifting法

Ishiyama et al. World J Gastrointest Surg. 2015 Oct 27;7(10):273-8.
脱肛した痔核を元の位置に戻し固定する手術です。この手術は肛門粘膜を切除せず温存する術式のため術後後遺症が少なく美容的にとても優れています。

料金表 痔核手術入院費概算

手術名 入院日数 1割負担 2割負担 3割負担
ALTA(入院) 2泊3日 \24,000 \47,000 \68,000
結紮切除手術(入院) 4泊5日 \30,000 \57,000 \86,000
  • 食事代を含む概算です。
  • 治療内容などで金額が変わる場合もございます。
  • 限度額認定証を使用した場合は金額が減額となります。

排便機能外来

便秘や下痢でお悩みの患者様に対して原因を精査し、正常な排便機能が維持されるように治療します。また現在、問題になっている便失禁治療には特に力をいれ、2016年7月から最新治療である仙骨神経刺激療法を導入しています。

便失禁とは

自分の意思に反して、社会的・衛生的に問題になる状況で便が漏れる症状(国際失禁会議より)のことをいいます。頻度は20歳~60歳で4%、65歳以上で7.5%、人口構成から算出すると国内では500万人もの人が悩みを抱えていると推測されます。決して珍しい病気ではありません。
しかし、恥ずかしさや、その事実を認めたくないという気持ちから誰にも相談できず悩んでいる方がほとんどです。また、その影響により家にこもりがちになり、社会からの孤立をまねくケースもあります。勇気をだして専門施設を受診することが治療への第1歩となります。

便失禁の種類

  • 漏出性便失禁:便意を感じずにする便失禁
  • 切迫性便失禁:便意を感じるが間に合わない便失禁

便失禁の原因

  • 突発性:便失禁の中で一番多く原因は不明です。加齢の影響もあります。
  • 分娩による肛門損傷
  • 直腸癌・痔の術後後遺症
  • 脊椎損傷・神経の障害
  • 過敏性腸炎
  • その他

便失禁の治療

  • 生活習慣の改善:食事や排便習慣の改善・運動により便失禁が軽快することがあります。
  • 骨盤底筋体操
  • 薬による治療
  • 手術(肛門括約筋形成術・有茎薄筋移植術)
  • 仙骨神経刺激療法

お尻の健康.jp 便失禁の治療や検査の情報が紹介されているホームページです。

仙骨神経刺激療法

2014年4月1日に保険収載となった新しい治療法です。仙骨神経刺激療法(SNM)は、仙骨神経を電気的に刺激することによって便失禁の改善を目的とする治療法で手術とは異なり体の負担が少なく(合併症もほとんどないです)画期的な治療といえます。国内の臨床試験では86%の患者様に有効性が認められています。

治療や疾患に関する情報

医師紹介

白畑 敦(非常勤医師)

白畑 敦
専門分野 消化器外科、癌化学療法、肛門外科
資格 日本外科学会専門医
癌治療認定医
日本消化器外科専門医
日本大腸肛門病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本乳癌認定医
消化器がん外科治療認定医
昭和大学藤が丘病院消化器外科兼任講師
日本ストーマ排泄リハビリテーション学会ストーマ認定士
主な学会活動 日本外科学会
日本乳癌学会
日本臨床外科学会
日本内視鏡外科学会
日本内視鏡学会
日本大腸肛門病学会
日本静脈経腸栄養学会
日本消化器外科学会
日本癌治療学会
日本外科代謝栄養学会
日本ヘルニア学会
内痔核治療法研究会
臨床肛門病研究会
ストーマ排泄リハビステーション学会
神奈川県難病指定医肛門機能障害仙骨神経刺激療法講習終了
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